「六百頁のミステリー」 幸村アルト・著
本が大好きな主人公の女子高生、浅見ちゃん。そんな浅見ちゃんが毎日のように通う町の図書館には、少し変わった司書の水島先生がいます。浅見ちゃんと水島先生の淡い恋愛模様を描いたマンガです。浅見ちゃんの超人的な読書量には負けますが、私も本好きなので、空想世界を旅することができる本の魅力に取りつかれる気持ちはすごくよく分かります。そして、有名な文学作品になぞらえて物語が進んでいく展開も、珍しくてとてもステキでした。「銀河鉄道の夜」のワンシーンを影絵のようなタッチで描いた場面は、キラキラしたその世界観に引き込まれました。また、ハプニングの連続で水島先生との待ち合わせに遅刻した浅見ちゃんが、「走れメロス」に扮して根性を見せるシーンは、思わず笑ってしまいました。
深い優しさを持っている水島先生と、そんな先生の愛につり合う人間になりたいと願う浅見ちゃん。この2人を見ているとすごく温かい気持ちになれます。とても完成度の高い一冊だったので、著者初のコミックスと知って驚いてしまいました。
ありがとう寄稿。
最初は上下巻合わせて1000p超えというボリュームで、読み切れるか心配だったのですが、読み始めたらストーリーの面白さ、自分がまず体験できないであろうヒマラヤ登山のリアルな描写に引き付けられ、気が付けば4日ほどで読み切っていました。
感想・書評「神々の山嶺(上・下)夢枕獏」ネタバレ注意・ギリギリの環境の中で山頂を極める登山家たちの姿に圧倒(レビュー)。 #読書 | おすすめ面白い小説用ブログ。