タイトル【謎の毒親】著者【姫野カオルコ】一言【悪気がないという罪】
ひと頃、話題になった「毒親」という言葉には私も思い当ることがあり毒親関係の本はいろいろ読みました。ひとしきり読んで納得してしばらくこの手に本は遠ざかっていましたがある時本の紹介欄でこの本を見つけて再び読む気になり、手に入れました。
これは研究者が開設したものでも、リアルな体験談ともちょっと違うものでした。
毒親に育てられていた女性が、知人に相談するという体で書かれています。
でも、ここに書かれていることは実際にあったことだそうです。
とてもジンとしたところがありました。
小さい頃からひどい扱いを受け(暴力ではありません)
とうとう腹に据えかねた彼女は夜中にカッターナイフを握りしめ両親を殺害しようとします。
ところが、部屋の中で床の釘を踏んでしまったことでカッとなった頭が冷め「あんな人たちを殺して刑務所に入るのはもったいない」
と思いとどまったのです。
彼女の両親は彼女を「頭が悪い」「デキが悪い」と言い続けており彼女もそれを信じていましたが
とんでもない。彼女は冷静で思慮深い女性なのです。
しかし、この釘を踏まなかったら彼女は身を汚していたかもしれません。
そう思うとなんだか運命を信じたくなってしまいます。
私の親はここまでひどくないので、親を許せる気持ちになりました。
毒親の怖いところは「悪気がない」ということにつきると教えてくれる本です。
毒親に悩んでいる人には一読して欲しい一冊です。
ありがとう寄稿。
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