2016年5月15日日曜日

ゴールデンカムイ1〜7巻(野田サトル)感想ネタバレ注意!あらすじ・twitterで、この作品のヒロイン「アシリパ」さんの変顔を集めた画像が流れてきた…。 #COMIC

ゴールデンカムイ1〜7巻 野田サトル:読まねば分からぬ怒濤of怒濤

特に意味はなく本屋でぶらついて何となく手に取って、何となく買った、超何となく出会ってしまったマンガ、それが『ゴールデンカムイ』。でもこの、何となくっていうのが運命の分れ道だった…多分!
1〜7巻のレビューとなっているが、最初は1、2巻を何となく買った。後は、数日後に一気買いした。一気に5巻。私は懐の寂しい学生なのでかなり勇気がいるはずのことなのに、その勇気を噛み締め、吟味する前に財布が出て、レジに立っていた。
『ゴールデンカムイ』は、最近手塚賞やらなんやらで話題になっていたから、存在は「フ〜ン」程度には知っていた。でも買う気は起きなかった。だって、「アイヌに埋蔵金にうんたらかんたら…フムフム!なるほど!あんまし!分からん!」っていうのが、簡素な作品紹介を読んだときの感想だったんだもん。
しかしtwitterで、この作品のヒロイン「アシリパ」さんの変顔を集めた画像が流れてきた時に…起きた。買う気が。クララが立った。買う気が起きた。「え〜なにこの子かわい〜アイヌ民族なんだ〜へえ〜…あ?!なんぞこれ?!」
ここで一気に「何となく買う」までの買う気がバッチリ立ち、バッチリ買った。なんとなく。それが大事。ありがとうアシリパさんの変顔集画像。
さて、実際このマンガを読んで最初に感じたこと、それは一言でいうと”怒濤”。凄い勢いで話が進む進む。置いていかれる一歩手前。でもお前のこと、離さねえぜ!という勢い。戦闘シーンからギャグからグルメから豆知識から、何もかもが怒濤。読み終わった後のアドレナリンの出方がすんごい。読んだ後、主人公の杉元佐一のごとく、「俺は不死身の××だ!!!」と叫びながら台所に駆け込み、凄まじい気迫を放ちながら料理を作り、それを「ヒンナ、ヒンナ(作品内で、食料に対し感謝するアイヌ語)」と笑顔でがっついてしまう程にはすんごい。もう影響受けすぎて、色んな動物の脳みそとか目玉とか食べたくなる。あとヒグマ超怖くなって夜自分の部屋でヒグマの気配に震えながら眠る。何度も言うようだけどそれくらいすんごい。
下ネタもすんごい。程度はと言うと、えげつなくはない爽快下ネタ!という感じ。もう隙あらば入れてくる。大好きか。私も大好きだ。アイヌ語の「オソマ(アイヌ語でうん○のこと)」はバッチリ覚えた。
豆知識も、前半に紹介されていたものが後半の伏線になっていたり、後々も出てきたりと、無駄にしない。無駄がない。無駄があってもそれさえも無駄がない。それは登場人物においても言える。魅力的。超好き。こういうバトル系の青年向けマンガは、バシバシとキャラが死んでいくから、所謂「使い捨てキャラ」が多くなることがある。しかし『ゴールデンカムイ』は違う。それぞれが必要不可欠。アイヌ秘蔵の金塊の在処が記されている入れ墨を入れた元網走刑務所の囚人達、第七師団など、もとを占めるキャラクターが多いのにも関わらず、全員が印象的で、丁寧に描かれているし、描いてやる!という意気込みというか気迫的なものが伝わってくる。それに加え、各バトルがあまりだらだら引きずったりしないのも、魅力のうちの一つのように思う。
とりあえず最高。怒濤。面白い。ファニー。インタレスティング。
ここまで徒然なるままに溢れ出る感想を垂れ流しまくったが、最後に、妙に感動してしまった事柄を一つ。
『ゴールデンカムイ』の舞台や時代背景は、実は『親なるもの〜断崖〜』という作品とほぼ同じである。『親なるもの〜断崖〜』では、女郎や芸子となった登場人物を通して、当時の男尊女卑の壮絶さを描いている。その作品内では、「子供」「女」ともなれば差別の対象であり、そこに「アイヌ」という項目が加わったのが『ゴールデンカムイ』のヒロイン、アシリパさんだ。作品が作品ならば弱者として描かれるであろう彼女は、『ゴールデンカムイ』の中では強く、美しく、聡明な女の子だ。主人公の杉元にも「さん」付けで呼ばれ、頼りにされ、信頼されている。先に『親なるもの〜断崖〜』を読んでいた身としては、それはひどく爽快で、胸が高鳴る事だった。
ここまで色々書いてきたが、とりあえず、読んで頂きたい。読まないと始まらない。どんな作品でもそうなように、触れる所が大事。超大事。それには、私の感じていたような「なんとなく」がかなり重要になる。このレビューが誰かの「なんとなく」に繋がりますように、と夜空のお星様に願いをかけたい気分だ。

ありがとう寄稿。

特に予定はなかったものの、実家に帰ってまったりしようと思っていたゴールデンウィークですが、一週間前より喉が痛い。
体調不良で室内にこもります。2016年ゴールデンウィーク日記・鼻づまりと発熱。そのまま子どもにもうつってしまい…。 - みんなの政治経済ブログ。

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