私はこの小説を定期的に読み返したくなる時があります。愛する家族を守るために取った行動により、追い詰められて逃げ場を無くしていく少年の心情が伝わって胸が切なくなります。主人公の秀一はどこにでもいる普通の中学生で、母と妹と平凡で幸せな毎日を送っていました。しかし、義父である曽根という男が家に戻ってきたため、秀一は彼の殺害を実行します。このお話で秀一は殺人犯なのですが、その根底にあるものは「母と妹を曽根から守りたい」という強い思いです。人を殺してしまったとしても、私には彼の取った行動が完全な「悪」には見えませんでした。彼の計画は、思わぬところから友人にバレてしまい、口封じのためその友人をも手にかけてしまいます。警察にも動かぬ証拠を突きつけられ、もはやこれまでと悟った秀一は自らトラックに飛び込んでしまうのですが、その時の彼の心境が痛いほど伝わってきます。彼は被疑者死亡というフィナーレを迎えることによって、最後まで家族に迷惑をかけないようにしたのです。ページを読み進めるたびに秀一が追い詰められていき、彼がまた幸せな家庭で過ごせる日々を取り戻してほしいと切に願っていた私は思わず手に汗を握ってしまいました。ラストまでだれることなく、集中して一気に読める名作だと思います。
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